アンテナを回すとノイズが減少するのか
水平DPとVDPの垂直偏波の水平面の指向性
水平DPとVDPの垂直偏波の垂直面の指向性
水平アンテナはアンテナ線の垂直方向に水平偏波の指向性が出て、概ねその方向に
電波受信、送信強度が強くなる。
しかし、水平に張ったアンテナでも垂直偏波成分は真横に出るのである。
この辺のところに誤解が多い。
アンテナを多く造った経験の在る方は体験的に知っているが垂直偏波アンテナは異常に
ノイズが多くなる。 特に近隣ノイズはすばらしく良く受信できる。 ノイズ用アンテナには
最適である。
低い周波数のアンテナは大きいので高く上げられない事から水平偏波アンテナは輻射角が
高く、ほとんどが真上近くにうちあがる。寄って水平偏波指向性では近隣ノイズを多く引き受けない。
垂直アンテナはここで言うまでもなく、ほぼ真横に指向性が在るため近隣ノイズを多く
拾い集める。
左図は水平DPの水平面指向性
赤は垂直偏波成分
黒は水平偏波成分
垂直偏波成分は
水平偏波面の指向性と90℃方向がずれている
上(x軸:ビーム方向)方向には全く受信できない。
つまり前方はヌル状態なのである。
だが真横から
来るノイズはばっちり受け付ける事になる。
垂直偏波の垂直面指向性はほぼ真横
つまり周囲ノイズを拾う方向なのである。
水平面での両偏波の合成された指向性は
左図である。
しかし、ノイズを受けやすい垂直偏波成分は
真横からノイズを受信してしまう。
ノイズを逃れるために、垂直偏波成分が
ノイズ発生源に対してヌル(ゼロ)点を向ければ
ノイズに対して強力な武器となるのである。
その際、真横に向けたところで合成指向性では
目的信号にに対し数db減であるから大きな減衰はない
特に低い周波数ではこの傾向は強く表れる。
正し、地上高を相当高くすれば垂直偏波成分か
らのノイズ進入を防ぐことができるが
貧乏人向きではない。
地上高が十分上げられない場合は、輻射角度の低いV型が比較的よく遠方に
届くが、ノイズの面では 前方にも垂直偏波成分の指向性が発生するので
回転した際のノイズ減少効果は若干薄れるが効果はある。
V型DPはあまり高く上げると国内QSOには不向きとなる。 10m±5m程度であれば
小型の水平アンテナが回せる強みで俄然有利になることでしょう。
このシュミレーションは給電部高さ10m 7MHzで行っている。
以上の傾向は周波数が低くなればより顕著になる。
下図は垂直成分の指向性である。 参考にされたい。
垂直偏波成分が多く低いアンテナほどノイズは大きい。
V DPは全方向に垂直成分が残るが
水平に設置されたDP は完全にヌル点が
ある。 この違いで10db以上の差が出る。
やはり、低いアンテナは水平で回転できることが
高性能アンテナの条件である。
また、針金DPで一般的に南北に張る必要はなく
ノイズの到来方向にビームを向けると、垂直成分はヌル点であるため
ノイズは激減するのである。 それによる信号の減衰は2db程度です。
ノイズは10db以上減衰する。 快適な通信にはノイズレスがFBで
特に、都会の一軒家など周囲のノイズに悩まされている諸兄は
試されて見ると実感できるでしょう。
なお、今後も実験を重ねより効率の良い、ノイズの無いアンテナを
めざします。 みなさまのご協力に感謝します。
特に
3.565MHz DPの実験においては長期にわたり、
JA1QLY(長谷川 氏) JA1WPH(三枝 氏)には並々ならぬご協力、
助言を頂きました。
ここに謝意を表します。
お二方のご協力、ご指導が無ければ完成できなかったことを
追記いたし感謝の言葉とします。
2013/03/02 JO7NLI 松崎
※ 水平DPはビーム方向に垂直偏波
成分はゼロである。
ノイズは真横からのみ受け付ける。
垂直偏波成分は真横を向き、水平偏波成分は真上を向きます。
だが水平DPにした場合、どちらも強い指向性を持っているのです。
2013/03/03修正
VDPは真横の垂直偏波成分は
減少するが、前方に垂直偏波成分が発生し
合成された垂直面指向性の輻射角度が低下
DX向きとなる。
上向きのビームパタンとは成らない!
シュミレーション条件 は7MHzCAP-HATアンテナ 10m高さ
MMANAで思う存分シュミレーションしてください。
an antenna without a noise