田代島
宮城県石巻市

私事、JO7NLIが8月11日から14日滞在
塩竃から海路、15マイル(海里)ほどのところに浮かぶ、何とも静かで、居心地の良い島
並びに、その島から数マイル北東にある有名な金華山(島)を訪れたときの航海冒険記
です。
      第一部 田代から金華山神社                           第二部 田代島探索


炎天下の塩竃を出航したのはもう12時を回る頃、メンテナンスショップ、マリンシステムで船険の書類やら
不足してる部品やらを購入したため遅れた。
せーるもセットせずにそそくさと出航に及んだ。   東宮浜を出るとすぐに塩竃の馬放水道に出る。

何せ幅が数百メートルしかない狭い水道、1マントンクラスの
船をよけるように端を通行しなければならない。
数年前になるが、夜間この水道のど真ん中でエンジン停止
危うく、数千トンクラスの船にひき殺されるところだった。
運良く、その船が気づいてよけたが。
浅い水道なのでその船が座礁寸前。
船についたいた拡声器の大音響
「夜の夜中にヨットなんか走るな!!
   ばかたれー」
確かにその通りなのだが、エンジン故障で仕方なく帆をあげて
走っていたのであるが、こちらの声は届かず。
その後、その音を聞いた勇敢な釣る船に助けられ、無事港まで
曳航されました。
ここを通るたびに思い出し、つい、船底のエンジンに耳を傾ける
ポイント。

水道を過ぎ1時間も走ると、波島(はじま)灯台沖に達する。
この船は最大5ノットなので5マイルと言うことになる。

塩竃への入り口の灯台なのである。
この島のちょいと西がハーバーリミットになる。
従ってここまでは港の中、適応される法律も港則法という
法律の範疇で運行しなくては成らない。
ヨットは縮帆するのが原則であるが。今はエンジンで走るのが
一般的なのである。

この灯台結構高いところに設置されているが、何度か、この
灯台に波をかぶるのを見たことがある。
このあたりから、水深が20Mぐらいなのでうなりが結構大きな
波に変わる、小型船は注意しなければ成らない場所である。

波島から10マイル、2時間太平洋の真ん中をのんびり
走ると、水平線に見えてくるのが田代島である。
ヨットを初めて30年以上に成るとおもうが何回ここに来ただろうか
おそらくは、10回程度だろう。
小生の悪仲間は、ここにはスナック(飲み屋)が無いからよらない
のである。
明後日、その悪い仲間がここに迎えに来る。
勿論、寿司屋とスナックに小生をつきあわせるのが目的なのだが
大きな迷惑、しかし、これも悪しき慣習として、つきあっているだけ
なのである。神に誓ってそうなのである。
ともかく、石巻湾と呼ぶこの海を越えて、北上する時、この島の内側
を通るか、外を回るか判断のしどころである。
特に、ヨットレースなどではここの風と潮流はポイントになった。
しかし、今は、蠣の(かき)の養殖棚が多く、夜中セーリングは
とても難しいし、危険な場所昨年も霧の中で養殖棚に迷い込み
脱出に明け方までかかった、恐ろしい場所になった。

写真集へ

とりあえずここまで

最近の航海は楽な物で、自動操舵装置が安く使える。
左の装置は、ティラーを直接駆動する物で、モーターで押したり
ひいたりする。
これが有れば一人でもセーリングに不安はないが、落水した
場合は、勝手に走っていくから、昔のように戻ってくることはない。
つまり、こんな装置が無ければ、ティラーを放せばどちらかに
船は曲がり、その場回転するのだが、それはないから落水を最
も警戒しなければならない。
しかし、便利さから使う人は多い、
勿論通常のレースでは使用は禁止されている。
私はこの装置に「万次郎」と名前を付けている。万次郎とは
江戸時代に漂流して無人島漂着、その後米国の船に助けられ
アメリカに渡った男の名前である。

波島沖から 2時間も走ると、田代島の端にある灯台
「二鬼城」灯台が見えてくる。
この付近にもたくさんの養殖棚が有るので先端にある点滅式浮標の
手前を安全に交わそう。
このすぐ裏には大泊港がある。そこも静かでいい港だが、酒屋が
遠い。
東よりにある最もにぎやかな二斗田港を目指す。
ちょっとしたアクシデントにより、後ほど、この灯台を訪問することにな
るとは知るよしもない。
しかし、あつい一日でこの暑さ、船で過ごすには少々適さない様に
思うが、冷房などつける予算も、気力もない。
去年つけた、扇風機だけがたよりである。

二斗田

にはいると、手前に立派な泊地ができていて、大きな
二本マストのケッチ(ヨット)が係留していた、後ほど地元
の方にお聞きしたところ、石巻の方がこの島で民宿を経営
されているそうで、その方の船だそうである。
小生の船は小回りがきくので最も奥くのこんなところに係留した。
とても便利な場所であるが、ガードレールがあり、乗り降りする
には少々じゃまになる。さらに、このガードレールは一般のもの
より高くできている。
飛び越そうとしたところ。
ガードレールの真上で落下、でんぶを切り裂くように筋肉を
痛め、しばらく痛さで身動きできず。
こんな状態では、船を思うように帆走できぬと判断、ここで
しばらく様子を見ることにした。結局このまま、居着いてしま
うことになったのである。
そのおかげで、島を端から端までのぞくことになった・

なにやら昔の、横浜を思い出します。
横浜は小生の生まれ故郷です。
今はやたら道路が広くなってすっかり面影がありません。
さて、こんな道、大汗をかき、痛い臀部を押さえながら昇ると
島で一番大きなスーパーマーケットにたどり着きます。
全く何でも売っている。
中でも、蚊取り線香には驚いた、決して町ではお目にかかれない。
デルタの格好!!!
一つの袋に3組入ってる
5袋入って120円

ここでそろわないのは、現金ぐらいでしょう。
3日間、おばーちゃんしか居ませんでした・
しかも、船が着く時間には居ません。時間を
確かめて買い出しに行かなくては成らない。
それが島の、憲法である。

ここでビールと氷を仕入れたのだが、アイス
と言ったら、「無い」
「アイスクリームは明日はいる。」
「氷」?
「それはある。」
ってな会話。
ここまでの航海で消費した6本500mlを仕入れる。
呑んだのではない。
あくまで消費なのである。
エンジンを冷やすのに使ったのか何に使ったのか
不明・(記憶はない)
要するに無くなったのである。
ちなみに、船も酒酔い運転禁止である。
(100も承知)

もう、戻れば酒飲みである。
それは、打ち身の痛さからで、決して「のんべい」だからではない。

痛みに耐えかねた心の弱さがビールを求めたようであった。
例の蚊取り線香は3時間程度はもった、従って夜中に3度火を
着け直した。
蚊がうるさいのである。何せ、戸は開けっ放し。

たいしたつまみが有るわけではない。
ちょいと潜れば、妃扇貝(ホタテ貝の仲間)やアワビが手に入るが
本日は体調不調。
さばのみそに(缶詰)と100円3本のソーセージ
日頃の生活が知れてしまった。
缶ビールに巻く手ぬぐい(タオルではない)は冷却用の水につけた
物である。
これは効く。
TVは無い。そこに見える拾ったラジオのみ。


ヨットとはこうして遊ぶ物なのである。
冒険なんかどこにでもある。阿武隈川をちっぽけなカヌーで下る。ヨットで一人世界一周する。
みな同じ事。人の一生などは遊ぶ物  遊ぶために働き、遊ぶために命をかける。
自らの力が全て。。。。そこにこそ冒険があると思う。

地図は公の道路のみ載っている。
本当は一周する道路もある。
一番上の灯台にさえ道路がある。(草ぼうぼう)
全部回ると5時間はかかる。いや、もっとかかりそうである。


この写真は合成である。
周りに草木が生い茂り、こんな風に写真を
とるには、余程の広角レンズが必要だ。
不可能である。
本当の写真はこの程度。(下)

小生の合成技術もなかなかの腕
かと思うが、カメラとPCのおかげである。

とにかく、その日は、足の痛みも(おしり)あってビール数本で
さっさと就寝した。

明朝、今回の目的の一つ、金華山参り。
これは我が奥方よりきついお達しの使命であって、おろそかにするような
ことが有れば、「帰ることならぬ!!」とのことである。
しかし、港を出て金華山の1マイルほどに近づいたたところで
右の絵のごとくで何にも見えない。
さらに、ナビ(GPS)も瞬間にして消えた。
気持ちわりーが致し方なし、進路30度で進む、(実はしょっちゅう)
何度経験しても、ヨットで霧はイヤである。
他の船のエンジン音が聞こえるとぞっとする。

田代島

アジ(網代)島

金華山

×

左の絵×にさしかかったところの写真
(だいぶはれてきたころシャッターを切ったので島影が少し見える)
およそ視程250m

←仙台

朝、まだ7時である。
さすがに船は何もない。ゆったりと係留すると社務所に
向かう。
急な上り坂を500m昇れば神社に着く。
この神社は、3年お参りするとお金に困らないと言う。
お金に困らないのであって、金持ちに成るのではない。

おかげさまで小生、何とか飯に
ありつけており、御利益はアル
のである。
他の言い伝えでは、誰よりも
早くお参りするともっと御利益が
有るそうである。
ってなわけで小生一番乗り。
しかし、重い足を引きずりながら急な
坂を登るのは容易ではない。
しかし、我が奥方の怖い顔がちらちら。

ユースホステスなど宿泊もできるようであるが、小生はここに宿泊したことはない。
この島の南側にこの海峡を見渡す立派なホテルがあった。
しかし、もう20年も前につぶれた様で、さびた屋根を無惨にさらしている。
そこには2度ほど宿泊した。実に感動的景観のホテルで残念でしょうがない。
もう一度味わいたい。

裏参道を上り詰めるやっと見えてきた、社務所の入り口。
普通の時間に行けば、マイクロバスで送迎がある。
しかし、それで御利益が有るかは定かではない。
とにかく、この時間ではそれもない。
8時になると、お札などの神社グッヅの販売が始まってるはずで
有るとの判断でやってきた、正解であった。
下の写真はお清めの水場です。
ここから、100段ぐらいの階段で神社です。
ファイト!

詳細に写真を撮ったのだが、掲載しないのは罰が当たりそうな
気もするからだ。
とにかく、この島に住んでる物以外では一番乗り。
実はこの島、おいしそうな日本鹿がたくさん生息している。
早起きは彼れらにはかなわない、しかし、今日は一頭もいない。
絶滅したか?

第二部 田代島探索

田代島案内看板

二斗田港付近の養殖棚
   夜間は鮎川港と此処を結ぶ線上以外は
   走行しないほうが安全。  2009/08

2009/08/15 訪問後日報告 震災前です。

2015/05/03
今年、初めての訪問 大晴天の下 酒がうまい。

猫の島で有名になったせいか、300人もの観光客が
いました。 島民は確か100人ほどのはずです。
震災前は下にあります。